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絲原家とは
◆元 松江藩鉄師頭取
「
絲原家」
絲原家は中世武家の一門で、初代 善左衛門が江戸時代初期に備後国(広島県)から郡内大馬木村に移住。帰農して間もなくたたら製鉄も始め、江戸時代中期に9代忠三郎が現在地にたたらの主力工場である高殿(鉄穴鈩)と居宅を移し、今日に至っています。
藩政期には松江藩の5鉄師の一人に任ぜられ、鉄師頭取も務めました。大正時代後期に、洋式製鉄の普及により約280年間燃やし続けて来たたたらの火を消し、家業を山林業に転換しました。その間、12・13代武太郎は貴族院議員として国政に参画し、国鉄木次線(現JR)の開通に尽力しました。また14代義隆は半世紀にわたり地方自治にたずさわりました。約400年の歴史をもつ絲原家。現当主は15代徳康です。
◆たたら製鉄って?
映画“もののけ姫”にも登場する【たたら】は、その語源ともなったとされる中央アジアのタタール人が考案した、砂鉄と木炭を粘土製の炉内で燃焼させ砂鉄中の不純物を還元分離して、鉄(銑鉄と鋼)を得る古式製鉄法のことです。古墳時代に中国大陸から伝来し、洋式製鉄が普及する大正時代まで行われました。
その2大原料である、良質な砂鉄と豊富な木炭資源を有するこの奥出雲が、その生産地として江戸時代末期には全国の約30%を生産していました。
↑長塩雪山筆「金屋子神」(部分)
お知らせ
【絲原家の出雲流庭園が国の名勝に指定されました】
平成30年6月15日、国の文化審議会から絲原家庭園を新たに国の登録記念物(名勝地)に指定するよう答申がだされました。
山々を借景とした絲原家の庭園は、全庭1,188㎡(約360坪)の中に、72㎡(約22坪)の池泉を有する池泉回遊式の出雲流庭園です。
ここは元はたたの原料の砂鉄を採取した跡地で、江戸時代末期から築庭にかかり、およそ50年後の明治時代中頃に完成したものです。
庭園の特徴は、書院前の飛び石組手法(細長い短冊石と丸い石の組合せ)にあります。
大正時代末期の母屋新築の際に整備され、その主要な部分が現在まで残っています。
出雲地方の特色ある衣裳や植栽が確認され、その価値が明らかになったことから登録が行われました。四季の移ろいも美しい絲原家の庭園へ、ぜひお立ち寄りくださいませ。
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